新聞や雑誌の文体と広告の文体が違うからだが、この間のニュアンスがわからなくて「困った原稿」を書き上げてくるライターが多い。
広告の頁物などの原稿は、四方八方に目配りして、代理店のディレクターとクライアントの顔色をうかがい、いかにしてクレームがこないような原稿に仕上げるかがライターの腕の見せどころ。だからカンドーしてしまう。
ある事実を解説するのにも、新聞記事なら断定しても構わないが、PR誌ではこれを避ける。
「○○という見方もあります。それはそれとして、こうなってもらいたいものです」などと持って回った言い方をしないとクライアントが心配する。
銀行などは特にこれが顕著で、当たり障りのない独特のテクニックが求められる。
クライアントにとっての読者は、「お客様」であり「消費者の皆様」であり、時には「コワイ上役」であったりするのだが、新聞ライターはそうした気配りに慣れていないから、一般国民を読者に想定したような文体で原稿があがってくる。
すなわち、文体にも"頭高症"が反映されがちなのだ。
このへんのニュアンスや間合いを謙虚に学習することが、webライティング・代筆屋として生き延びるポイントといえるだろう。
遠藤泰男(ライター)