出版は「机と電話と倉庫があれば成り立つ仕事」などと言われる。
もちろん、これだけでは出版社は興せない。
出版した本の流通を取り仕切る取次店との取引口座(取次コード)の開設が不可欠だ。
しかし、設備投資としては、机と電話と倉庫さえあれば会社をスタートさせることはできる。
そして、こんなお手軽な設備投資でスタートして、ミリオンセラーでも出そうものなら、アッという間に自社ビルが建つ。カンドー的である。
4300社にものぼる零細な出版社がひしめいているのも、手軽な設備投資で「一撰千金の夢」を見ることができるからだ。
「ただし……」とここに大前提が入る。
これを言いたいがためにわざと言い落としたのだが、それは「ただし、そこにデキル人がいれば……」という大前提があっての話だ。
遠藤泰男(ライター)