話が思わぬところに脱線したが、ここで制作プロダクションと編集プロダクションの違いについて簡単にふれておこう。
詳しく立ち入って説明するとややこしくなるから、ここでは少々面白半分に感覚的な比較をしておく。
①制作プロダクションの多くは青山、赤坂といったシャレた場所に立地しているが、編プロはどちらかというと、東京の田舎に立地している。
これは直接のお客様である代理店と出版社の立地に応じたものだ。
②編プロに比較して制作プロダクションの事務所は、断然きれい。
これは、制作プロダクションの主な仕事がデザインだということと関係があるが、制作者の体質の違いとも無縁ではない。
編プロにはどこかバンカラふうのところが未だに色濃く残っているのだ。
編プロは形よりも中身にこだわるという言い方もできる。
③同じ頁物を制作すると、制作プロダクションは編プロの2倍くらいの見積を平気で出し、スンナリ通ることがある。
全体に単価がバブルっぽい。
そして、バブル崩壊後、価格競争が激しくなり、見積だけ一流だった制作プロダクションは青息吐息。
1本、1500万円のCFを300万円で受けたという話も聞く。
ざっと、こんな違いがあるのだが、基本的な違いは、③の部分だろう。
すなわち、制作プロダクションのほうが単価が高い。
編プロの1頁あたりのデザイン料と制作プロダクションのそれは、同じような頁物であっても2倍くらいの差がある。
これは、プロダクションの性質上当然という面もあるが、コピー料も高い。
編プロからみると、制作プロダクションの見積書は「勇気のある見積書」に思える。
しかし、最近ではこうしたバブル見積も通らなくなって、二流の制作プロダクションは「勇気あるダンピング」をしているのが現状だ。
それはさておき、制作プロダクションのオモテ・メニューは、印刷媒体のデザインと純正コピー、それにCFといったところだが、これだけでは食っていけないので、コピーライターがやりたがらない頁物や会社案内(彼らはやや蔑称気味に印刷制作物を"平面"と呼ぶ)なども手がけている。
これは本来はライターの仕事だから、制作プロダクションはwebライティング・代筆屋にとっても重要なお客様になり得るということだ。もちろん、制作プロダクションにも出入りのライターはいるのだが、編プロ出入りのライターに較べると全体に素人っぽい。カンドー 遠藤泰男(ライター)。そこで、上記の制作プロダクションの雰囲気や体質を理解した上で、制作プロダクションに営業をかけると思いのほかにオイシイ仕事にありつくこともある。